第19回日本中性子捕捉療法学会

ご挨拶

山本 哲哉
横浜市立大学医学部
脳神経外科学
主任教授

この度、初めてとなる横浜の地で、第19回日本中性子捕捉療法学会学術大会を開催いたします。

テーマは『Challenge and Acceptance』といたしました。従来研究用原子炉で行われてきたBoron Neutron Capture Therapy (BNCT)は、加速器中性子源によるBNCTの実臨床の時代に入り、関連基礎研究や臨床研究においてChallengeを続けています。一方で近年、ゲノム医療、細胞免疫治療、光線力学・光免疫治療、ウィルス治療、高精度放射線治療等々、多くの新しい治療が臨床応用、また改良されてきています。治療技術以外にも、インフォームドコンセントの考え方、QOLへの配慮、患者・家族会の活動などまで目を向けると、がん治療を取り巻く環境はこの十年で一変いたしました。

BNCTは、1960年代以降に脳腫瘍や皮膚腫瘍を主な対象として治療研究が行われ、研究対象の拡大の中で頭頚部がんに着目することで、日本において、2020年3月に医療機器(NeuCure)・医薬品(ステボロニン)の製造販売承認という重要な節目を迎えました。本学会では、長い時間を経て得られた臨床開発からのさらなる適応拡大、新規ホウ素キャリアーや加速器中性子源の開発、測定・モニタリング、ドジメトリー、放射線生物学的理解の深化といったChallengeの最新の成果をご発表いただくとともに、少し立ち止まって、一変した治療技術以外の環境-BNCTコミュニティ以外の治療者や患者のAcceptanceにも目を向けてまいります。

本学会では、学際領域であるBNCTに関連した幅広い分野から、基礎研究の成果、現在BNCTを行っている施設の診療実績や臨床試験に関する最新情報、新規BNCT施設からの報告に加え、医療機器開発の審査、がん診療全体から見たBNCT、患者側の目線、といった話題についても取り上げてまいります。7月14日・15日の本日程では、各専門領域のポスター発表と口演発表53演題、加速器BNCT治療施設によるシンポジウム8演題、教育講演2、ランチョンセミナー2、企業セミナー2を企画しました(1会場制)。教育講演では、木村俊成先生(医薬品医療機器総合機構)に医療機器開発の審査に関して、また櫻井英幸先生(筑波大学放射線腫瘍科)に日本の粒子線治療の歩みに関してご講演いただきます。さらにBNCT本日程の前後には講習会(13日)、市民公開講座(16日)、また学会2日目には最近Neutron Therapeutics社のBNCT装置が導入された湘南鎌倉病院の施設見学を含むエクスカーションも予定しています。

会場となる横浜シンポジアは、山下公園や赤レンガ倉庫、中華街など、横浜の観光スポットが数多くあるエリアです。また、昨年大河ドラマで話題となった鎌倉へのアクセスも容易です。多くの方に参加いただき活発な議論、意見交換が行われ、日本中性子捕捉療法学会の更なる発展に寄与できる大会となりますよう、また本学術大会が皆様にとって実り多き物になれば幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

学会事務局
横浜市立大学
医学部脳神経外科学
横浜市金沢区福浦3-9
大会長 山本 哲哉
事務局長 秋本 大輔
TEL: 045-787-2663
(FAX; 045-783-6121)
運営事務局
株式会社
SK アペックスプラン内
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